第6回研究会 報告


meeting6

生循環は今年から年4回(春夏秋冬)の開催とすることになりました。夏季大会として第6回研究会が開催されました。

まず、山崎氏が 「仏教を基本理念とする場で生命科学を営む」と題して、龍谷大学に新設された農学部に赴任した経験をもとにお話しをされました。宗教部の多くの方々にとって、動物実験などは禁断の領域となります。また、山崎氏の研究はたんぱく質の凝集機構とその毒性を探るということで遺伝子組換え作物を用います。近代科学に根差した実験装置や計画と「無駄な殺生をしてはいけない」という仏教の教えの折り合いをどのようにつけるかということについて研究者として、教育者としてどのように考えていけばいいのかということを話題提供されました。また、生命とは何か、自分自身の価値尺度は何なのかということを常に自問する環境にいるからこそ、多様な生命観や価値観に目を向けるきっかけとなるとお話しされました。

続いて、江間氏が 「人工知能は生循環か非循環か」と題し、人工知能をめぐる挑戦や倫理を話しました。次に「生循環」という概念に対し、今までの研究を別の角度・枠組みから考えるアプローチ法としての使い方を提案しました。直線的な生命観(生きながらえさせることを目的とする生命観)のオルタナティブとして提唱された生循環が、生と死の循環を基とした生命観であるとすれば、「知能」に関する生循環的アプローチは知の獲得と忘却を繰り返すこととみなせるのではないか。実際に、忘れられる権利などが提唱されているほか、忘却するからこそ新しいアイディアが生まれることもあるとして、「知識を積み上げていく知の体系」や「人間を超える知性」といった直線的あるいは指数関数的ではない知の探究法を提案しました。

次回第7回研究会は秋に開催予定です。